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2021/06/01 09:33


前回の記事「うにと、開口の日の風景のはなし」で、天然資源であるうには漁が解禁される日が決められていると書きました。
ところが、近年ではうにが増えすぎて困っているって知っていましたか?

うにが主にエサとしているのは、コンブやワカメのような海藻類です。また、海藻類が群生した場所「藻場」は、小さな魚たちが身を隠す場所になったり、産卵場所になったりします。まさに、海のオアシスとも言える場所が「藻場」なのです。

その藻場が消失し、砂漠のようになってしまう状態を「磯焼け」といい、近年多くの地域で問題になっています。
原因は、うにやアイゴといった動物たちに食べ尽くされてしまった、温暖化により海水温が上昇した、海流等の影響により海中の栄養分が減少した、海が汚れて濁ってしまったことにより海藻類が光合成できなくなった等が考えられます。

さまざまな要因が絡んでいる磯焼けですが、その中でも厄介者とされているのがうにです。うには非常に生命力が強いため、海藻類を食べ尽くしてしまっても、岩やコンクリートなどを食べて生きながらえることができるのです。磯焼けになってしまった海に潜ってみると、海草一本生えていない岩場に、うにだけがうじゃうじゃいたという話も聞かれます。せっかく新たな海藻が芽をだしても、それさえすぐに食べ尽くしてしまう・・・。うにも生きるために必死なのですが、これでは藻場は再生できません。
そして、磯焼けの海で岩などを食べて生活しているうには、当然身もやせて美味しくないので、漁師さんも開口の日にわざわざ獲ろうとはしません。ますますうにが増えてしまう悪循環です。

この問題を解決するため、各地でうにの駆除が行われています。また、駆除のために獲ってきたうにを養殖して身入りをよくする研究も行われています。みなさんも、うににキャベツを与えて飼育している事例などをテレビで見たことがあるかもしれません。しかし、生存率、コスト、そして食味の3点を両立させる手法はいまだ確立されていないのが現状です。

うにの美味しさを支える豊かな藻場


天然資源であるうにの美味しさは、当然ながら豊かな藻場に支えられています。

南三陸にとっての漁場である志津川湾は、外洋に面しているため、太平洋を流れる寒流と暖流の両方の影響を受け、豊かな藻場が形成されています。その藻場の豊かさが認められ、志津川湾は平成30年にラムサール条約湿地に認定されました。「海藻の藻場」としての認定は国内で初の事例です。
まさしく南三陸町が掲げる「森里海ひと いのちめぐるまち 南三陸」というビジョンの表すとおり、自然の豊かさを守り、生かしていくさまざまな活動が実を結んだ結果なのです。

次の記事では、南三陸の循環型社会への取り組みについてお伝えしたいと思います。

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